ユーザと開発者の違いを考える @たこやきUX
2023/6/23
5分
自己紹介
「ユーザーに、欲しい機能を聞くのではなく、課題を問う」
UX周りの勉強している時によく見る言い回し
解決策は我々が考えるので、あなたは課題を教えてください、というニュアンス
このフレーズには、暗に
「当然我々の方が、良い解決策を思いつけます」
「あなたが考える解決策は本質的でないことが多いです」
といった前提が含まれている
「ユーザは無能」で「開発者は有能」ってコト!?
このフレーズに乗っかる前に、ユーザと開発者の違いを明確しないといけない
「ユーザは無能」で「開発者は有能」という謎の主張になりうる
ドッグフーディングをしてる製品だとしても
開発者 = ユーザー = 無能
「開発者固有の技能」を再確認するということ
どこが違うのかをいくつか列挙してみる
ただの思いつきなのかどうか
プロダクトの本来の目的に則っているかどうか
他のユーザのことを想定をしているのかどうか
そのために、
そもそも存在する課題に対してベストの解決策かどうかを見極める
作って試す、を繰り返すことで、納得感を持って課題の深堀りができる
より深い解決策を発見することに繋がる
自分のためにも、相手のため(コミュニケーションのため)にも有用
これ、かなり開発者特有の能力だと思うmrsekut.icon
そのために、
課題のコアを解決する薄いプログラムを爆速で作れる必要がある
正解が見つかるまで試す
すぐに新機能を追加しがち
存在する課題を解決すればよいのであって、機能を追加する必要があるとは限らない
無駄に機能が増えると、メンテコスト、認知コストが上がる可能性がある
機能追加に対してブレーキをかけられる
そのために、
既存の機能との協調を意識できる
開発コストを加味できる
実現可能性の見積もりができる
実現不可能な機能を早期に却下できる
「AIが欲しいです!\\ドンッ//」のような雑な要求に対する解決策を提示できる
実装難易度が想定できる
見た目ほど難しくない/意外と大変です、というのが判断できる
使用する技術やライブラリとの親和性とか
そのために、
普段から色んなツールに触れておく
その他
他の分野での事例を知っている
課題を整理する能力がある
詳細を詰められる
ユーザはふわっと「こういうのが欲しい」と言いったものの詳細を摘められる
分析に必要なツールを知っている
そうだね
セキュリティなど非機能要件の知識がある
etc.
他もありそう
思いついたら教えてください!
開発者は、上記のような技能が身についていないといけない
これは「ユーザはそのへんの技能がない」という前提をしている
それはそうmrsekut.icon
知らなくても困らないし、見える範囲で最適化している
知っていても開発できないので、改善できない
ゆえに、「これこそが開発者の仕事」という感じ
逆に、顧客しか知らない情報もたくさんある
そのドメインに熟知している
日々の現場で感じている課題のことを我々はしらない
知っていてたとしても体感をもって理解できない
そういう課題を上手く引き出す必要がある
まとめ
「ユーザーに、欲しい機能を聞くのではなく、課題を問う」というフレーズの前提を考えた
相手のこと、そもそもの問題を知ることも大事
感想とか
Q&Aの時間にいくつか質問してもらった
新機能の部分は良い具体例がパッと思いつかなかったmrsekut.icon
要件定義してたのが数ヶ月前なのもある
あと「いいね機能」の例と、「A,Bを組み合わせたらC相当のことができる」は全然違う文脈なので例の出し方をミスった
いいね機能に関しては、本質的にその機能ってそもそも必要だっけ?という文脈
その機能があることでユーザがどういう気持ちになって、なにか向上されるの?
いいねってあるある機能だけど、そんな安易に追加しちゃって良いの?
という感じ
A,Bを組み合わせたらC相当ができる、というのは
「こういうことがしたいのでCという機能を作ってください」という要望が来た時に、「Cを作る」というのが「ユーザが提案する解決策」になっている
そこで、「CがなくてもAやBを組み合わせればできます」と回答する
こちらの例のほうが、今回の発表の文脈に近いmrsekut.icon
終わった後の飲み会なども含め、かなり良いフィードバックがもらえたので良かった
デザイナが多く出席するんだろうなと思っていたので、何かエンジニア的視点の発表ができたら有益だろうなと思っていた
最初はもっとエンジニア寄りな内容にすることも考えてたがちょうどよかったみたい
特に、エンジニアがUXなどを横断してやってることに対して反応が良かった
mrsekut.iconもUIに手を出す前はデザイナとのコミュニケーションが難しかった実感があるので、割と普遍的な課題なのだろう
「今やっているプロジェクト」の具体的な進め方を抽象化した発表を聞いてみたい、というフィードバックももらった
たしかに面白そうmrsekut.icon
UX面のおもしろと、エンジニア面でのおもしろの2本立てで作れる気もする